最小二乗法解くなら行列が楽って話
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実験式がであるとき
最小二乗法の原理より,誤差の二乗の和を作ると,同じ精度を持つ測定の場合
nはデータセットの個数である.
行列式に置き換えて,
(1)を見ると,逆行列を計算することと,行列積を求めるだけでパラメータが決定できる.
データ
エクセルで逆行列
逆行列を計算する関数はMINVERSE関数.求まる逆行列の大きさに等しいセル範囲を選択した状態で下記のように数式を入力して、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]を押すと結果が得られる.
エクセルで行列積
行列の積を計算する関数はMMULT関数.求まる逆行列の大きさに等しいセル範囲を選択した状態で下記のように数式を入力して、[Ctrl]+[Shift]+[Enter]を押すと結果が得られる.
結果
となった.
最確値の確率誤差の計算
に平均誤差はの誤差がないものとすれば,
分母である自由度の個数はポイント数からパラメータの個数を引いたものである.
ゆえに,の確率誤差は
の確率誤差は,誤差の伝搬法より,
エクセルで計算するには
の計算は非常に単純なので,割愛.
の計算を行列で表すと,
MINVERSE関数は分数の△も含むので,の計算だけすればよく,エクセルで計算すると,
結果の対角成分が確率誤差になる.
まとめ
エクセルのシートを載せた.最小二乗法を連立方程式で解けばそれまでではあるが,エクセルだとどうしても計算ミスが怖い.
高次の計算こそ行列で済ませるととても早くなるので,ぜひ活用していただきたい.
「行列でやってみたい」「やってみてもうまくいかない」となった人はぜひ私に聞きに来てほしい.